2014年2月9日(日)~3月2日(日) (展示は終了しています)
今回の展示について
2007年3月、まだ雪に覆われた札幌を
夫の天然ガス会社のチャーター機で未知の土地サハリンへ向かう。
白一色の太陽に輝く流氷で埋まったオホ-ツク海が
高度の低いプロペラ機の窓から見えた。
サハリン空港で3ヶ月ぶりに夫の姿を見た時には緊張が解けほっとした。
それから4年、
サハリンを何度も行ったり来たりしながら行くたびに四輪駆動車に乗って
1日に500km近くも走ったり時にはローカル線に乗ったりしながら、
映り行く季節、厳しい生活に順応したサハリンの人々に感動しながら
右手は常にシャッターを押し続けていた。
雪が解け水溜りだらけのオホーツク、道も車も泥だらけだ。
夏は泥が乾燥してホコリだらけになり車も道も全てグレーになる、
「キャンプ」「魚釣り」「海水浴」となるべくは外で過ごす短い夏。
秋は早く、8月には道路脇でキノコ販売が始まり、
いつ鮭が川をあがってくるかというニュースで持切りになる。
空はだんだんと重く暗くなり畑のジャガイモを掘り尽くす、
そして冬に向けて閉ざされてしまったダーチャ村からは人気が無くなる。
冬は一日中重たい雲と雪と氷に閉ざされ、雪は全てを白の布で覆ってしまう。
外はマイナス20度、北海道の旭川と気温は似ているらしい。
その厳しい環境の中で生きている人たちは、
とても善良で自然と共に賢く生きている。
後藤 桂子(ごとう けいこ)
1970年大阪万博見学後、父親の赴任地オーストラリアへ連れられてから人生の半分位は海外で生活。
その父から1938年製の古いカメラを譲り受け主に白黒写真を撮っている。
帰国し2002年から写真、暗室技術を学び。2006年から写真家 北井一夫氏に師事する。
2007年~2010年は夫の赴任地サハリンで、2011年からは新しい赴任地オーストラリアで写真を撮り続けている。
2002年 グループ展“Zooming In 3”アメリカンクラブで出展
2007年 アート スペース モーターにて、グループ展3回出展
(Globe in Chicago, Café, Life on Charles Bridge-Czechoslovakia)
2010年 ロシア、サハリン「Sakhalin」「Life in a Jungle、カンボジア」
2011年 オリンパスギャラリー東京「サハリンの四季」
2013年 オーストラリア、ブリスベン「グレンフェルという町」
2013年 オリンパスギャラリー東京「ノグリキ、サハリンのシリーズ第2編」