2014年5月26日(月)~6月8日(日)(展示は終了しています)
写真展概要
作品内容:モノクロ写真 20点
東電福島第一原発事故後の5月上旬から1年半にわたり
福島に通い続けたフォトジャーナリスト 大石芳野氏の写真展を開催。
被災し、ふるさとを奪われた人々と向き合いながら撮影した作品を展示いたします。
東電福島第一原発の事故が起こってから私が福島を訪れたのは、
1か月半余り過ぎた5月の上旬でした。
それから1年半、あちらこちらを訪ね多くの人たちにお会いして、福島
の人たちはとても花が好きなんだと感激しました。
丹念に作物を栽培し、畜産業にも精を出す。太陽を上手に生かし、
土と水、風を工夫する。ところが突然、ふるさとは放射能に汚染されて
しまいました。一人ひとりと向き合いながら、土地のこと、歴史的なこと、
そして将来への見通し、家族や若者、子どもたち、まだ生まれていない
子どもたち•••と、あれこれ考えると、何という不条理なことがふりかかっ
たのかと暗澹となります。
私たちはだれもが土と共に生きています。土がなければ人類の存続
さえもかなり難しくなるでしょう。そして、結局は土へと返っていきます。
なかでも農に携わる人たちにとっての土は、生きる原点そのものです。
染みついた放射能にあらがい格闘を続ける福島の人たちと問題を共有
し合うことの大切さ、今、改めて思います。
福島の人たちが、心置きなく花に気持ちを寄せられる時が来ることを
願っています。
東京都出身。写真家。文明哲学研究所(平和文明会議メンバー)客員教授。
日本大学客員教授。世界平和アピール七人委員会委員。
日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。
戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しながらも
逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追う。
著書に『ベトナム 凜と』(土門拳賞)、『無告の民 カンボジアの証言』(日本写真協会年度賞)、
『カンボジア苦界転生』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『福島FUKUSHIMA 土と生きる』等多数出版。
2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章ほか。
2008年11月に東北芸術工科大学・本館7階ギャラリーにて「大石芳野写真展『戦世の子どもたち』」を開催。
2013年8月から9月にかけて京都造形芸術大学・瓜生館1階で「大石芳野写真展『FUKUSHIMA・土と生きる』」を開催。
2014年4月から5月にかけて東北芸術工科大学・本館7階ギャラリーにて「大石芳野写真展『FUKUSHIMA・土と生きる』」を開催。