鷲尾和彦写真展「To the Sea」
2015年2月22日(月)~3月15日(日)(展示は終了しています)
開館時間 9:30~18:00 休館日 毎週水曜
日本各地の海辺の風景と人びとの姿を15年以上にわたり撮り続けてきた作品。
東日本大震災発生前後の東北地方沿岸部の風景も数多く含む、
昨年刊行された同タイトル写真集より約70点を展示いたします。
作家コメント
日本各地の海辺の風景とそこを訪れる人々の姿を15年以上にわたり撮影してきました。海との繋がりの中で生きてきた私たち自身の姿を、自分自身の足と目で再発見しながら、次の世代へと繋いで行きたい。その思いに突き動かされてきました。
必然的に2011年3月に発生した東日本大震災前後の風景にも向き合う中で、今その思いを一層強く感じています。
震災発生当時、メディアで流れた映像は私たちの「共有体験」となり目に焼き付けられました。しかし同時にそのメディア的映像はその強烈さ故に、「どこか遠くの、かつての出来事」として、私たちを彼の地から遠ざける力にもなっているように感じています。1枚1枚連なっていくことで、近くと遠くとを、過去と未来とを結ぶ、そんな「写真」が持つ力が必要な時代だ感じています。
この作品が、私たち自身と海との繋がりを、自然と人との関わりとを見つめ直すささやかな機会になることができればと願っています。
写真家。1967年兵庫県生まれ。97年から独学で写真活動に取り組み、01年に清里フォトミュージアム主催「ヤングポートフォリオ」に、06年にはガーディアン・ガーデン主催「フォトドキュメンタリーNIPPON」にそれぞれ入選。
2009年、写真集『極東ホテル』(赤々舎)を出版。2011年、作家・詩人の池澤夏樹氏とともに東日本大震災発生直後から被災地を取材し、共著『春を恨んだりはしない』(中央公論新社)と、写真集『遠い水平線 On The Horizon』(私家版)とを刊行。
2014年11月に刊行した新作写真集『To the Sea』 (赤々舎)には、ノーベル文学賞受賞作家である、J.M.G.ル・クレジオ氏がエッセイを寄せている。
HP:www.washiokazuhiko.com