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企画写真展~現在の展示

企画写真展~今後の予定

 

 

企画写真展~これまでの展示


福島県いわき市平字紺屋町45 紺屋町ビル3階
TEL : 0246-38-3152
FAX : 0246-38-3153


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倉谷拓朴 写真展「sunshine」

 2016年10月23日(日)~11月13日(日)(展示は終了しています)
 開催場所 コール・ピット(いわき)
 開館時間 9:30~18:00 休館日 毎週水曜  

倉谷拓朴 写真展「sunshine」


「昨年、いわきに半年間滞在する機会を得た。街を歩き回ったり、いろいろな人と触れ合った。
 そのときに感じた光をテーマにした展覧会。」


●作家コメント

昨年、私はいわきに半年間滞在して作品を制作する機会を得た。
滞在中、街を歩き回ったり、いろいろな人と触れ合った。
いわきに降り注ぐ太陽は優しくて日々の私の活動をいつも励ましてくれた。
震災後何度か訪れたことのあるいわきであったが、長期で滞在するのは初めてだった。
滞在初日の夜、夕飯を食べようとふらりと入った駅前の大衆食堂で、大きな紙袋をいくつか持った作業員風の男がおかみさんに金額の記載のない領収書を催促して断られているのを見かけた。
初日で何となくこの街の現状が把握できた。
私が常宿にしていた駅前のカプセルホテルには作業員風の男が多く、常連の中には明らかにおじいちゃんという年齢の人もいた。
そのおじいちゃんが夕飯にいつもカップラーメンとおにぎりを食べていた光景が忘れられない。
滞在中、車を自由に使える状況だったのでかなり行動範囲は広く、いろんなところに出かけた。
いわきの街中は私が想像していたよりも高級車が多く、普段なかなか出くわさないような高級な車も何台か見かけた。
夜のいわきでは、飲み屋で東電の下請けをしていて原発事故が発生したときに第一原発にいたという人と知り合いになった。
小名浜では震災後この辺りで作業をしていたという消防士やお店とともに自分も流されたという海鮮食堂を営む主人にも出会った。
小名浜での出会いをきっかけに、富岡町からいわきに避難してきたというお寺の住職を紹介されその周辺の人たちとお会いしてお話しする機会も得た。
いわき在住の知り合いの作家に少し前に通れるようになったという常磐自動車道を通って南相馬まで行き、帰りに国道6号線を通って原発まで数キロのところまで連れて行ってもらったときは少し怖かった。何度か足を踏み入れたことのある原発周辺ではあったが、実はその日そこまで行くと知らなかったので何の準備もなく少しびびった。
私はこの5年間ほど何度も福島に通ってみた。
作家として日本人として福島の現状を見ておきたかった。
私が行ったところで何になる訳でもなく、自ら危険に身を置くだけの場合もあるのだか衝動を止めることができなかった。

写真は現実をより残酷に見せたり、逆にそうでもなく見せたりする。
私がこれまで福島に通って体験して見てきたものと、
撮ってきた写真とのギャップは計り知れない。
現実はきっともっときれいである。
今回の展覧会では私が撮ってきた写真には写っていない福島の光を感じていただければ幸いだと思っている。

倉谷拓朴


※同時に展示されているブルーのフォトグラムは、私がいわきに滞在中やそれまで福島に通ってきた中で様々な場所で採集した植物などの影を感光紙に定着したものである。
露光には太陽の光を使用し、作品の右下などに書かれている数字はそのものを採集した場所の空間線量が記入されている。


●作家略歴

倉谷拓朴(くらたに たくぼく)

既存の写真という表現の領域に狭さを感じ、写真というメディアの可能性を模索しながら作品制作を行っている。
遺影写真を撮影したり、古い家族写真を収集するなど、写真を媒介にした人々とのコミュニケーションを作品にしたり、フォトグラムというカメラを用いない技法を使って撮られたフクシマの植物の写真なども作品として展開する。
人の「生と死」や「記憶」を制作のテーマとしている。

最近の主な展覧会

2016 「ZINARI」Gallery昨明(福島)
2016 「ZINARI」楓ギャラリー(大阪)
2015 「snow country」<越後妻有アートトリエンナーレ2015>(新潟)
2015  個展「その森のできごと #02」 雅景錐 (京都)
2015 「倉谷拓朴/ポール・モンドック展」 黄金町芸術センターSite-Aギャラリー(横浜)
2014 「Last Portrait Project」 川崎市市民ミュージアム (川崎)
2014 「steal sand」<芸術の収穫祭 かっきりまつり> 旧小玉川小中学校(山形県小国町)
2014 「その森のできごと」 <Fukushima Art point iwaki 芸術祭「玄玄天」>
    (福島県いわき市)
2013  個展「その森のできごと」 雅景錐 (京都)
2013 「Blue Light」 <mujikobo contemporary×gimlet contemporary>
    mujikobo(横浜)
2013 「DOLLY」 <甲南女子大学メディア祭> 甲南女子大学(兵庫)
2012 「DOLLY」 <Art Week in Wako 2012> 和光大学(東京)
2012 「その森のできごと」 <越後妻有アートトリエンナーレ2012>(新潟)
2011  <Out of Photographs> 黄金町バザール2011(横浜)