中村征夫 写真展「遙かなるグルクン」
2017年2月26日(日)~ 3月19日(日)(展示は終了しています)
開催場所 ギャラリーコールピット(福島県いわき市)
開館時間 9:30~18:00 休館日 毎週水曜
入館料:無料
半世紀にわたり世界の海と、海に生きる人々へレンズを向けてきた写真家 中村征夫。
伝統漁法「アギヤー」で沖縄の県魚『グルクン』を追う海の男たちを30年にかけて取材しモノクロフィルムで切り取った作品を展示いたします。
海に命をかけるウミンチュたちの姿をご覧ください。
【作家コメント】
私はこれまで半世紀にわたり、世界の海と、海に生きる人々にレンズを向けてきました。このたびの写真展「遙かなるグルクン」は、30年かけて
取材し、私の沖縄の海に対する熱い想いを作品化したものです。
沖縄の方言で「アギヤー」と呼ばれるこの漁は、明治中期に糸満で編み
出されました。ウミンチュ(海人)が県魚であるグルクンを袖網から袋網
へと追い込み、一網打尽にするという勇壮な漁法です。
かつて、貧しい農村部の泳げない多くの少年たちが、労働力として糸満
の網元へと売られていきました。厳しい潜水訓練のほか、慣れない飯炊き
など一日中働き通しで、中には逃げ出す者もいましたが、すぐに連れ戻さ
れ、折檻が待ち受けているのでした。
過酷な試練を耐え抜いて一人前になったウミンチュたちが、伝統漁法
アギヤーを島々まで普及させ、沖縄の水産業を支えてきたのです。
寡黙ながらときに両棲類のごとく、船上と海中を頻繁に行き来する
ウミンチュたち。命がけの漁に挑む姿と、苦難を乗り越えた男たちの
素顔に迫りました。
【作家略歴】
中村征夫(なかむら・いくお)
1945年秋田県昭和町(現・潟上市)生まれ。
19歳のとき神奈川県真鶴岬で水中写真を独学で始め、31歳でフリーランスとなる。
1977年東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で逞しく生きる生きものに感動、
以降ライフワークとして取り組む。報道の経験を生かし、様々なメディアを通して
海の魅力や、海をめぐる人々の営みを伝えている。